ギソクの図書館 Blade Library

大分でスポーツ義足のレクチャーが行われました。

 12月5日、大分県別府市にある「社会福祉法人 太陽の家」さんを会場に、Road to Blade for All -義足ユーザーの「走る」をサポートする- と題し、「スポーツ用義足のレクチャー」及び「走り方レクチャー」を行いました。本事業は、NPO法人ギソクの図書館がスポーツ庁から「障害者スポーツ用具活用促進事業」を受託し、新潟医療福祉大学と共同で進めているプロジェクトです。

 午前中に行われた「スポーツ用義足レクチャー」では、主に今まであまり(あるいは全く)スポーツ用義足を触ったことがない義肢装具士さんや理学療法士さん達を対象に、スポーツ用義足とはどんなものなのか、どのように扱ったら良いのかのレクチャーを、義肢装具士の沖野敦郎さん(アイムス)高橋素彦さん(ステップフォワード)を講師に、アスリートの春田純選手(ウォーターワークス)の実演を交えて行いました。

 今後オンラインでスポーツ用義足のレンタルサービスを実現する為、スポーツ用義足のスターターキットを実際に触っていただき、板バネの感触や硬さ、コネクタの組み立て方などを参加者に体験していただきました。また、生活用義足の寸法を元に義足ユーザーのカルテを作成する為の採寸シミュレーションを行いました。切断箇所や残っている足の長さはユーザーそれぞれ違うので、このカルテが非常に重要です。数人の参加者に実際に体験していただき、どの部分の寸法が必要なのかを確認していただきました。

 午後に行われた「走り方レクチャー」では、アスリートの山本篤選手佐藤圭太選手にオンラインで登壇していただき、大腿義足用、下腿義足用の走り方レクチャーを行いました。現地では午前中に引き続き春田純選手に実演していただき、スポーツ用義足で走るということはどういうことなのか、注意点や正しい練習方法などを、義足ユーザーさん達に実際に体を動かしてもらいながら体感していただきました。また理学療法士の内田直生さんに、走る際に起こりやすい怪我やそのケアの方法をレクチャーしていただきました。

 午前・午後のレクチャーを通じて、スポーツ用義足を正しく安全に取り扱う方法、また実際に使う際どのようなことに注意し心がけたら良いかということを、義肢装具士、理学療法士、指導者、そしてユーザーそれぞれの目線から学ぶことができました。本プロジェクトでは、来年早々にスポーツ用義足のオンラインレンタルサービスを開始するために準備を進めており、今回ご参加いただいた方々には多くの貴重なご意見をいただきました。今後サービスをスタート・運営してゆく上で、それぞれの視点からの正しい知識が必要不可欠です。ギソクの図書館は、レクチャーの情報をブラッシュアップし広く共有しながら、今回ご参加いただいた方々を始めとした現地の方々と協力してプロジェクトを進めて参ります。一人でも多くの「走りたい」と思っている義足ユーザーの思いを叶えられるよう一緒に頑張りましょう!ご協力よろしくお願いいたします。